ヴォーリズ氏は1880年に米国カンザス州レブンワースで生まれました。22歳の時に海外伝道学生奉仕団での講演に感激し、外国での伝道を決心します。
1905年に来日して以来、宣教師ではなくひとりの人として奉仕をしながら、教育や医療施設、オフィスビル、住居等を設計しました。その数は1000棟以上にのぼります。
ヴォーリズ氏の設計にはキリスト教精神とそこに暮らし働く人への思いやりがあります。シンプルでありながら、使い勝手のよさと落ち着いた雰囲気があります。それは、神様と共に生きる安らぎを表現しているかのようです。
石畳を渡ると街のざわめきがふっと遠ざかります。礼拝までの心を整える道です。外観は切妻屋根に白のしっくい壁、縦に並ぶ付柱は質素でありながら、軽井沢という場に調和しています。
ただ十字架があるだけですが、そこにはヴォーリズ氏の思いがこめられているように感じます。ここには神様とわたしがいる、そしてわたしと同じように神様に祈る友がいる、それが教会という場所なのだというメッセージです。
現在では作ることが難しいと言われるほど、緻密で美しい桜模様が彫られています。主張しすぎることなく、ヴォーリズ氏の建物と一体となって優しい雰囲気を作り出しています。